メニュー

大江の寺フェス『宝蔵寺キネマンダラ』 林隆弘さん 日下部克喜さん

8月10日、大江町月布にて「宝蔵寺キネマンダラ」が開催されました。このイベントでは山形県内や大江町で昭和に撮影された貴重なフィルム映像を上映。当日は宝蔵寺の檀家を始め、地区の方々や映画好きの若者が30名以上集い、月布の山々を背景にしての贅沢な屋外上映会となりました。今回は、このイベントを主宰する宝蔵寺住職の林さん、山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局長の日下部克喜さんにお話を伺いました。

宝蔵寺住職として 私の使命

まず最初に気になるのが「キネマンダラ」という独特なイベント名。『宝蔵寺は真言宗のお寺です。真言宗といえば曼荼羅。それに映画を意味する”キネマ”を掛けて「キネマンダラ」と名付けました』。

 

このイベントが始まるきっかけは、林さんが関東から山形への帰ってきた9年前の、日下部さんと出会いだったそうです。『関東では総合型地域スポーツクラブのマネージャーとしてチームのマネジメントをしたんですが、山形に戻って来たタイミングで山形国際映画祭のスタッフを募集していて、これまでの経験が活かせそうだと思って応募しました。その時一緒になったのが日下部さんです。意気投合して、その頃から一緒に何かしたいと話してました』お二人は出会った当時を思い出しながら話してくださいました。

 

『私がここの住職になったのは約5年前。ちょうどその頃お寺を再建したのですが、まもなくして先代が亡くなってしまいました。再建するのに檀家の方々には大変援助してもらって。だからこのお寺を任された身として、様々な形でみなさんに恩返しすることが住職としての僕の使命だと思ってます」そして、来年に控えた宝蔵寺開山400年のプレイベントして今回の映画上映会の企画に至ったそうです。

地域の集会場だった寺と映画の関係性

『昔、お寺は公民館的な役割を果たしていて、今から30~40年前はお寺や神社での屋外上映が盛んでした。盆踊りなどの地域行事や娯楽の1つの中に「映画」があったんです。今回上映する「明日への光」は昭和39年に行政が製作した、大江町の小欽(こじゅうな)集落を映したもの。昭和30~40年代は町村合併促進法が施行されて、合併が全国各地で起こった時代です。当時は合併する集落にお互いの地域の情報を伝達するために有効な手段としてこれらの動画が多く製作されました。「高度経済成長期の合併によって日本は新しい未来に向かいますよ!」そんなメッセージが込められいるものです』山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局長を務める日下部さんはそう教えてくださいました。

 

当日参加された檀家さんに感想をお聞きすると『この集落での昔の映像をみて、父親が炭仕事をしていた様子が思い出されてきた。とてもほっとした気持ちになった』『ちょうど自分がこの集落を離れていた時期の映像だった。何十年も経ってからみて、なんだか新鮮だった』『次回も期待する』と、皆さん満足げに話していらっしゃいました。

大江町は昭和34年に漆川村と左沢町が合併して生まれた町。当時は合併反対への動きから、議会に機動隊が出動するほどだったそうです。「明日への光」を始め、今回上映された映画からは歴史を通して私たちの生活を問い直す機会にもなったのではないでしょうか。

 

(写真・文:布施)

大江町ホームページ

http://www.town.oe.yamagata.jp