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大江の秋祭り 十三区奴行列 安孫子博司さん

町内八幡神社の例大祭に合わせて開催される『大江の秋祭り』。各地域に受け継がれる伝統芸能が町内を練り歩く他、左沢駅前ではパレードも予定されています。9月17日の本番に向け出演する各団体の準備にも熱が入る中、『十三区奴保存会』の安孫子博司さんにお話を伺いました。

 

”アガスケ”な先人たち

十三区の奴行列は昭和天皇即位の際に慶事として奉納されたのが始まりと言われ、その歴史は来年で90年を数えます。『最上川舟歌の編曲者としても知られる後藤岩太郎氏をはじめとする十三区の有志が、村山市湯野沢へ奴踊りを習いに行ったそうです。他地域の威勢の良い奴踊りに比べ振り付けに華麗さがある点や踊り手の他に太鼓や笛などの鳴り物が加わること、そして奴はみな顔に白塗りを施すのが十三区奴の特徴です。”他の地域の真似に終わりたくない”当時の先輩方はきっとかなりアガスケだったんじゃないかなぁ。』安孫子さんは地元に伝わる歴史について笑いながら話します。

 

行列の中心”大鳥毛”

左沢十三区は左沢地区西部に位置し、長い坂道沿いに家々が立ち並ぶ地区。江戸時代初期には高台に小漆川城が築城され、左沢藩主酒井直次がこの地に居を構えた歴史を持っています。『小さい頃から友達はみんな子奴として秋祭りに参加していました。奴あっての十三区だし、僕たちの世代は特に地域に育てて貰った思いが強いかも知れません。』『舞い手は男性だけど、それを下支えするのは地区のお母さんたち。鳴り物には女の子もいるし、老若男女関わらず地区のみんなでひとつのものを作り上げているのが十三区の良いところかな。』地元への思いをそうお話して下さった安孫子さん。今年からは行列の中心にあたる大役『大鳥毛』を任される予定です。最も長い毛槍を持ち、踊りはもちろん行列を鼓舞する掛け声も大鳥毛の役割。『光栄に感じる反面、プレッシャーもありますね。先輩方や地元の同級生にもアドバイスを貰いながら、自分なりの大鳥毛を演じることができたらと思います。』穏やかな語り口の中にも決意を感じることが出来ました。

 

この地区に生まれて良かった

練習の日。安孫子さんのお話をなぞるように、夜の境内に地区の各世代が集まりました。汗を飛ばしながら若手が演じ、先輩方が叱咤激励する。女性陣はお茶を淹れて労をねぎらい、子供たちがその様子を少し遠くから見つめます。きっと同じ風景が、この地区では90年の間ずっと受け継がれてきたのでしょう。『町内を練り歩いて、最後に坂を登って地元の人たちに迎えられる時には、なんとも言えない高揚感があるんですよね。十三区に生まれて良かった!って思う瞬間です。』『担い手が不足していたり、地区の戸数が減るなどして近年は団体の維持が困難な側面もあります。だけどやっぱり自分は生まれ育ったこの地区が好きだし、地区のみんなが好き。伝統を次の世代に受け渡すために、自分の出来ることを精一杯やり切りたいと思います。』

 

子供たちは地域に見守られ成長し、かつて遊び場にした坂道を毛槍を担ぎ力強く登っていきます。地域の繋がりが希薄になり形骸化しつつある中、左沢十三区には大切にしたい想いが受け継がれていました。十三区奴行列は3年に一度。大江の秋祭りではパレードの先陣をきって登場します。

 

大江町観光物産協会ホームページ(秋祭りについての情報をご覧頂けます)
http://oekanko.jp/index.php?page_id=146

山形県大江町公式ホームページ
http://www.town.oe.yamagata.jp