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情熱の住宅模型 鈴木悦郎さん

村山盆地を北上する最上川を境に、奥羽山系を東山、出羽丘陵山系は西山と呼ばれる山形県村山地域。大江町の七軒地区を中心に、西川町から朝日町まで南北に伸びた区域より産出される杉材は『西山杉』と呼ばれ、品質の良さから市場でも高い評価を受けてきました。

かつては林業で栄え、森とともに発展してきた歴史を持つ大江町。設計士の鈴木悦郎さん(市の沢)は大江町型住宅販売会の会長も務めていらっしゃいます。

国産材の消費拡大を目的とし推進されている『森林(もり)ノミクス』。山形県では平成25年から『やまがた森林ノミクス』と称し、“育てる林業”から“使う林業”をテーマに林業振興が進められてきました。大江町では平成21年に森林資源の利活用を図る目的から『美しい森林(もり)づくり協議会』が発足。同協議会には町内の林業、建設業を始め、町産木材の生産から消費に関わる様々な業種や団体が参加し、木材の需要拡大に向けた活動を行う中から生まれたのが、100%町産木材を使用した『大江町型住宅』です。

 

川上から川下まで~森林が循環する家づくり

『地域では設計だけが優先される家づくりは通用しない』。長年の経験からそんな想いを抱くようになった鈴木さん。協議会に参加し、町産西山杉を生かす建築の設計に挑戦します。『夏は暑く、冬は寒い山形の家づくりは日本の中でも難しいと言えます。森林資源の利活用では西日本が最先端。色々な場所へ足を運びその土地の建物を見て回りました。』そんな中でいきついたのが、板倉構法に基づいた家づくりでした。板倉は日本古来の神社や穀物倉庫に使われてきた建築技術のひとつ。杉材を用いることで堅牢で長持ちし、薪ストーブから取る暖は家に湿気をこもらせることなく結露も防ぎます。冬は暖かく夏は涼しい家をつくることが出来るだけでなく、石油や原発などに頼ることなく、森の資源を維持し、美しい森林を保つことにもつながっていきます。森林を循環させ、木材の産地である川上と、それを消費する川下を繋いだ家づくり。鈴木さんの設計した大江町型住宅は、『第4回山形の家づくり大賞コンペ 審査員特別賞』を始めとして、多くの評価を得ています。

 

生活と暮らしの単位『家』

『家のことを考えることは、地域や土地を見つめること。生まれ育った土地を知り、そこで暮らし住まうことの意味を考えてこそ住みよい建築ができると思います。』そう話す鈴木さん。取り出して下さったのは、3つの建築模型です。左沢地区をイメージした町屋型、本郷地区をイメージした多世代型、七軒地区をイメージした豪雪対応型があり、リビングと玄関が土間を通じて地続きになっているなど、その土地に合わせた設計がされています。『模型を見ているとほら、なんとなく家を作ることを考えたくなるでしょう?』そう笑う鈴木さん。家を建てる意識が薄れてきている若い世代や、その土地に合った住みよい家をより多くの人に提案するため、模型を使って説明されているそうです。またこの家の名前は公募で決めるとのことで、先日天童市で行われた林業まつりで募集するなど、挑戦は続いています。『もちろん大手のハウスメーカーが作る家や外来の建築方法も、蓄積された技術が集約された素晴らしいものです。家はその人と家族が生涯を過ごす場所。そんな場所を作るときに、私たちの提案が選択肢のひとつとしてあればいい。そのための提案を、これからも続けていけたらと思っています。』

 

国土の約76%を森林が占める日本。私たちが暮らす大江町も例外ではありません。人々は古くから森に入り、そこで生活の糧を得て来ました。手付かずに見える山々の景色も、そこで暮らしを営んできた私たちの先輩が長い時間をかけて育んできたものです。山に感謝し、森に恩返しする。鈴木さんたちが手がける住宅には、そんなふるさとへの想いが込められているのかも知れません。

 

大江町型住宅ホームページ
http://www.oe-much10.com

山形県大江町公式ホームページ
http://www.town.oe.yamagata.jp