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鎌倉の左沢っ子 金山奈々子さん

お盆のお休みが終わり、朝晩の町にはどことなく秋が近づいてきたことを知らせる空気が流れています。つかの間のお休みをふるさとで過ごし、それぞれの場所へ戻っていく人を取材しました。

 

左沢3区ご出身の金山奈々子さん。山形市内の専門学校をご卒業後、神奈川県鎌倉市で美容師として働かれています。『もともとは地元志向が強くて、就職も町の美容室で!って考えていたくらいなんです。だけどたまたま見に行った今のお店と周りの環境がすごく良くて。今では鎌倉も、もちろん大江町も大好きです。』町の外へ出るきっかけをそう話して下さった金山さん。町にいる頃よりも今の方が、地元のことを口にする機会がずっと多いそうです。『お客様に、”地元はどんなところ?”って聞かれることが多いんですよ。最初の内は大江町がどんな場所なのか、どんな良さがあるのかをちゃんと答えられないのが悔しくて…美容師はお客様とのコミュニケーションも大切な仕事のひとつ。今では胸を張って地元の話をしています。鎌倉に行ってから、山形に詳しくなるなんて可笑しいですよね。』彼女の話を聞いて『山形へ旅行して来たよ!』とおっしゃるお客様も多く、中には大江町まで足をのばして下さる方も。『奈々子ちゃんの大らかな性格の秘密が分かった気がする。』ふるさとと自分のことを両方褒めて貰えた気がして嬉しい、笑顔でそんなエピソードを話して下さいました。

 

 

お盆とお正月にはかならず地元に帰り、家族や友達と過ごすという彼女。中郷地区からのゆるやかなカーブを曲がり、最上橋と左沢の街並みが見えた時にはほっとした気持ちになるそうです。『美容業界は7月と12月が繁忙期なんです。目が回るくらい忙しいけど、”目標を達成して町に帰ろう”っていう気持ちになるし、家族や地元の友達の存在が背中を押してくれます。』『帰って来たら外せないのは…やっぱり花火大会かな。都会の花火は豪華だけど、淡々と終わっちゃうイメージがあるんですよね。大江町の花火は、隣に座った人の歓声やため息がちゃんと聞こえるところや、屋根越しに光と音を感じられるところが好き。』地元の環境の良さが自分を育んでくれたと、町を離れて感じるようになったそうです。

 

『鎌倉って観光地のイメージが強いけど、路地を一歩入るととても静かな町なんです。初めて来た時も、緑が多くて田舎で育った私には違和感がありませんでした。特に好きなのは江ノ電。学生時代ずっと左沢線を利用していたので、乗り換えがなく終着駅まで電車に揺られる感覚が同じなんですよね。わざと時間をずらして混まない電車でぼーっとしたり、色んなことをリセットするための大切な時間です。』今暮らす場所の良さをそんな風に話す金山さん。これからのことを聞くとこんな答えが返ってきました。『目標はキラキラ美容師!働き始めた頃は自分が輝きたい、新しい場所できちんと自分の居場所を作りたいという思いで必死でした。一緒に働くスタッフやお客様に恵まれて8年目。まだキラキラの最終形は見えていないけれど、誰の目にも輝いている、そして同時に周りを輝かせることが出来る人間になりたいな。』

 

 

とても綺麗な標準語を話す彼女。そのことを伝えると、『ほだなごどないんです〜!今日は緊張して…専門学校でも、いぢばんなまってだって言われったっけんですよ!』安心したように、ふるさとの言葉が弾けました。

 

取材を続けていると、金山さんのように地元の良さを堂々と口にする若い世代が多いことに驚かされます。どこを居場所に定めるかが重要なのではなく、自分の生まれた町をよく知り、見つめ、伝える。雨上がりの左沢駅で彼女が乗り込んだ電車が向かう先に、町の少し先の未来が重なって見えた気がしました。

 

山形県大江町公式ホームページ
http://www.town.oe.yamagata.jp